弁護士は貴方の代理人としてすべての交渉をしてくれます
遺産相続で揉めている場合、貴方に代わって相手方と交渉をして解決に導いてくれるのは弁護士です。これにより、貴方のストレスが軽減され安心感が得られます。司法書士、税理士等他の士業はこの代理権はありません。
さて弁護士費用は高いというイメージがありますが、遺産分割の調停を依頼した場合、いったいどの位の費用がかかるのでしょうか、
ひと昔前は弁護士報酬規定がありその規定に沿って報酬は決められていましたが、今はこの規定は撤廃され各弁護士が自由に決定して良いことになっています。しかし、今でも多くの弁護士事務所がこの旧弁護士報酬規定を基準に報酬を決定しております。
そこで、この旧弁護士報酬規定を基準に実例をあげて弁護士報酬の相場を説明させていただきます。
旧弁護士報酬基準表(抜粋)
1 訴訟事件(手 形・小切手訴訟事 件を除く)・非訟事 件・家事審判事 件・行政事件・仲 裁事件 | 着手金 | 事件の経済的な利益の額 3 億円を超える場合 |
報酬金 | 事件の経済的な利益の額 が 300 万円以下の場合 経済的利益の 16% 300 万円を超え 3000 万 円以下の場合 10%+18 万円 3000 万円を超え 3 億 円以下の場合 6%+138 万円 3 億を超える場合 4%+738 万円 |
・(着手金、報酬金の算定基準)
遺産分割請求事件は点 対象となる相続分の時価相当額。ただし,分割に
対象となる財産の範囲 又は相続分についての争いのない部分については,
相続分の時価の 3 分の 1 の額
・(日当 )半日 3万円以上5万円以下 1日 5万円以上10万円以下
経済的利益とは、簡単にいうと、貴方が弁護士さんに依頼するとにより、獲得しようとする金額(着手金の算定)、また獲得した金額(報酬金の算定)のことです、不動産等の物の場合は金銭に換算されます。
但し、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1の額が経済的利益の額とされます。
例をあげて説明します。お父さんが亡くなり、遺産総額が6,000万円
相続人は貴方とお兄さんの2人だとします。法定相続分(法律で決まっている相続分)は各2分の1ですから、貴方の相続分は3,000万円でこの金額を全額獲得した場合は、原則としてこの3,000万円が着手金、報酬金の算定金額になります。
ところが、貴方とお兄さんはこの相続分や財産の範囲に争いがなく、お兄さ
んが単に感情的になり話し合いに応じてこない場合はどうでしょうか?
このように相続分や財産の範囲に争いがない場合は相続分3,000万円の3分の1の1,000万円が着手金、報酬金の算定金額となります。
では、相続分や財産の範囲で争いがあるとはどういう場合でしょうか、
この事例で説明しますと、相手の兄が被相続人の父の面倒をみたからといっ
て600万円の寄与分を要求している場合等です。
この場合、貴方の相続分3,000万円のうち2,400万円は争いがない部分としてこの金額の3分1の800万円が着手金、報酬金の算定金額になります、そして争っている算定金額(寄与分要求金額)600万円を合わせた1,400万円が着手金・報酬金の合計の算定基準になります。
◎実際、弁護士さんの費用はどの位かかるか
それでは、この事例で弁護士さんに依頼した場合、実際弁護士さんにお支払いする着手金・報酬金はどの位になるでしょうか?
①何の争いがない場合で法定相続分の3,000万円を獲得できた場合
着手金 1,000万円(3,000万円×1/3)×3%+9万円
=39万円
報酬金 1,000万円(3,000万円×1/3)×10%+18万円
=118万円
着手金・報酬金合計 157万円
(その他、日当、実費がかかります)
②法定相続分3,000万円のうち600万円が争いがある部分であるが
3,000万円全額を獲得できた場合
着手金 1,400万円(2,400万円×1/3+600万円)
×3%+9万円= 51万円
報酬金 1,400万円(2,400万円×1/3+600万円)
×10%+18万円=158万円
着手金・報酬金合計 209万円
(その他、日当 実費がかかります。)
いかがですか、煩わしい手続きや、対立する他の相続人と直接交渉することなく、精神的苦痛や心理的な負担が軽減できて安心感も得られるということで、決して弁護士費用は高くないと感じる人も多いと思います。
しかし相手方と何の争いがなく、また費用もできるだけ抑えたいということで、自分で、または司法書士のサポートを受けて手続きができそうだと思う人もいるのではないでしょうか。
親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。